この度、ピックアップしました「大曼荼羅供」は、世界遺産・高野山にて執り行われる儀式の中、最も厳儀なもので、用いられる数々の聲明曲が、梵讃や漢讃、和製聲明の表白など、聲明を語る上で非常に重要なものがちりばめられています。特に中曲理趣経は、寛朝法王が中曲旋法を考案し作曲されたと伝承され、聲明史では革新的な出来事として取り扱われています。つまり、本公演では、様々なカテゴリーに属した聲明を、一度に堪能できるという性格を有しています。
また、儀式の行様に様々なバリエーションが存在しますが、本公演では、別行経立庭儀大曼荼羅供の行様をもちいました。すなわち、誦経作法は別行、儀式の最中には理趣経を中曲にて唱え、さらに入退堂に際しては庭の作法を執り行う非常に丁寧な行様です。この行様も、なかなか山内でもお目にかかる機会は少なく、儀礼・有職故実研究などにおいて、有意義な機会であると自負いたしております。
2012年12月1日 大阪 茨木市市民総合センター(クリエイトセンター)センターホール
聲明公演 大曼荼羅供‐日本伝統音楽の源流を求めて2011年 2月26日 東京 サントリーホール
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